‘時間が解決してくれる’


そんなの嘘だ。



滝沢先輩からいろんな意味での告白を聞いたあの日から既に数日が過ぎた



あの日以来、私は家から一歩も出る事なく過ごしていた



私の携帯番号とアドレスを知らない滝沢先輩からの連絡は当然ない


部屋のインターホンが鳴る事もない



寂しい?



この部屋で暮らす様になって初めて感じた感情かも知れない



実家を出たのはあの家にも瞬の影がたくさん残ってたから


それで両親を説得し部屋を借りた


実家から持ち込んだものは何一つない


この部屋で得る感情と言えば“虚無感”だけ



部屋の中も心の中も全て空っぽ



そんな部屋で約一年弱過ごした




そんな中で滝沢先輩に会った





滝沢先輩と居るといつも必然的に瞬の事が思い出されて辛かった


瞬と親友だった滝沢先輩
美鈴先輩の彼氏だった滝沢先輩


何で放って置いてくれないの?


そんな事ばかり思っていた