魔法使いの一日



「ムダだって。この周りには結界が張ってあってさ、しかもこれは並みの魔法使いでも簡単には破れないような強力なものなんだ。それをただの人間が出られるわけないだろ?」


バッと後ろを振り向くと、すぐ近くにはアルベルト君が居てナイフを左右に振っていた。


「諦めなよ、どうせ死ぬんだし」


と、アルベルト君は指をならした。すると、


「!!?」


何…これ……体が…うっ動かない!!


突如体が金縛りにあったかのように動けなくなってしまったのだ。


「出られないっていってもいちいち逃げ回られると面倒なんだよね。安心しなよ、苦しまないように殺してやるから」


再びニッと笑うと、ナイフを振り上げ一直線に向かってきた。