魔法使いの一日

「"地獄の番犬ケルベロス"……よりによってコイツかよ。お前コレを一人で何とかするつもりだったのか?」

「いやー……まさかこんな大物だとは思わなくてですね…申し訳ないです」


ミリンは困ったように頬をかくと、しゅんとした様子で頭を下げた。


「今更どうこう言ったってしょうがないし、気にしなくていいよ、ミリン」


アル君はミリンの頭に手を乗せ宥める様に撫でる。何だかんだで、ミリン達はこの短時間で仲良くはなったようだ。


と、ケルベロスが「グルル……」と唸った。


『オマエタチ…ハンギャクシャ』

『アルジサマニサカラッタオロカモノドモメ…』

『オレタチガホネモノコラズクラッテヤル…!』


しゃ…


「喋った――――!!!!?」


「うん、喋るよ? ケルベロスは結構上の位の魔物だし」


アル君が説明する。いや、上の位だからとかそーいう問題じゃなくて、私が驚いてるのはそこじゃなくて!!