魔法使いの一日

「オレだって無理なこと言ってると思ってる…」

「だったら…」

「でも、亜梨珠なら何とかなると思うんだ! 気合で!」


結局それかよ!! てか、私って気合があれば何でもできるって思われてるの!!? そんなわけないでしょ!!


「面白い冗談なのですね、聞いててとても楽しいですよ」

「言っとくけど、冗談で言ってないからね」

「マジで!!? 余計タチが悪いんですけど!!?」


おかしいな、アル君は常識人だと思ってたのに。てか、ツッコミが追いつかない! というよりツッコミ疲れてきた…。


「だって、気合はともかく、そうだろ?」

「え?」


ドゥッ!!


何が……と続けようとした瞬間だった。そんな音が聞こえ、目の前に砂埃が舞い上がった。


「!!? これは…!?」


ミリンもこの突然の状況にかなり驚いている。勿論私もその一人。


そんな中、私の目の前に誰かが立ったのが分かった。しかし、砂埃が邪魔をして誰だか分からない。