魔法使いの一日

さっきから言いたい放題のミリンに、私はピクピクと口元を引きつらせる。そんな中、アル君がやむを得ないといった表情で私に声をかけてきた。


「仕方ない……亜梨珠! 君がこの結界を何とかするんだ!!」

「よっしゃーまかせて………は?」


ちょっとまった。今明らかにおかしなことが聞こえたような……うん、気のせいだよね、気のせい…


「なっ! アル! お前何言って!!?」

「こうでもしないと俺達は中に入れない! それに、亜梨珠なら大丈夫さ。後、ソラ……」


どうやら幻聴ではなかったらしい。そして、アル君はソラに何かを耳打ちする。てか、何を根拠にそんなことを言っているんだ、とつっこんでやりたかったが、一応話を聞くために押し黙る。


「ちなみに、何すればいいの?」

「この結界は、そいつの持っている装置によって起動してる。つまり、その装置を破壊すればその結界も消え去る。もう言わなくても、分かるよね?」

「………ミリンからその装置を奪ってぶっ壊せって事?」


それにアル君はコクリと頷いた。


なるほど、要領は分かった。しかし、


「アル君、冷静に考えてよ。公園をこんな状態にするほど相手は強いんだよ? そんな相手に、今の今まで逃げ切るのが精一杯な私が、どうやってあの装置を奪ってぶっ壊せと?」


もしかして、何か打開策があるのかと若干期待して聞いてみる。