魔法使いの一日

「どの道この結界を破壊する事は無理なのですよ。部外者である貴方達なら尚更です」

「何!?」

「!! 本当だ、外部からの魔法を完全に受け付けない!」

「何ですと!?」


って事は……ソラ達の助けは当てに出来ないってこと…? 折角助かると思ったのに……?


あまりの絶望感に顔が真っ青になっていくのが分かった。


「こんな高度な魔法を使っているってのに、相手は顔色一つ変わっていない…どうなってるんだ?」

「……ん? アレは…」


ソラはミリンをじっと見つめ、そして何かに気付いたのか目を見開く。


「そうか……アイツはあれを媒介にしてこの魔法を持続させてるのか」

「正解、と言ってあげたいですが90点です。これは媒介ではなく、これからこの結界を発動させているのです」

「自分から弱点を明かすとは…随分と余裕だな」

「これはハンデなのです。それにちょっとがっかりなのです。期待していたのに、逃げてばっかりでつまらないです。これじゃ宝の持ち腐れですよ、勿体無い」