魔法使いの一日

そんなこんなで、私は絶賛ミリンから逃げ回っているところなのだ。


しかし、逃げ回るのは良いとしても、正直言って体力の限界だった。もうどの位全速力で走っているだろう。私は一般人並みの体力しか持ち合わせていない。もうとっくに走れず倒れているところを、火事場の馬鹿力というやつで何とか頑張っているんだけど、本当もう無理。肺が痛くなってきた。


「亜梨珠!!」


もうダメだ…と諦めかけたその時、この状況ではとても心強い声が聞こえてきた。


「ソラ…アル君…」


結界の外に息をきらしたソラとアル君を見つけた瞬間、疲れと気が抜けてしまったせいかその場にへたり込んでしまった。


ミリンもソラ達の登場に、足を止め視線をそちらに移す。