ナギは、どうしてる?
電車に揺られながら、高瀬が話をむけてきた。
ナギ、というのは、しおさの弟の汀(なぎさ)だ。
二つ年下の、15歳。今春、高校に進学した。
「元気だよ、あいかわらず」
「高校には慣れた感じ?」
「初日から慣れてるよ。あいつはあたしと違って、人づきあいが得意だから」
「それはそうだな」
―――姉ちゃんが心配だから、同じ高校いこうかな。
昨年だったか、冗談めかしてそういった汀の声が、耳をよぎる。
それから三日間ほど、口をきかなかった。
その後、汀は知らぬ間に、学校推薦で進学先を決めていた。
姉とは別の高校だ。
電車に揺られながら、高瀬が話をむけてきた。
ナギ、というのは、しおさの弟の汀(なぎさ)だ。
二つ年下の、15歳。今春、高校に進学した。
「元気だよ、あいかわらず」
「高校には慣れた感じ?」
「初日から慣れてるよ。あいつはあたしと違って、人づきあいが得意だから」
「それはそうだな」
―――姉ちゃんが心配だから、同じ高校いこうかな。
昨年だったか、冗談めかしてそういった汀の声が、耳をよぎる。
それから三日間ほど、口をきかなかった。
その後、汀は知らぬ間に、学校推薦で進学先を決めていた。
姉とは別の高校だ。



![he said , she said[完結編]](https://www.no-ichigo.jp/img/book-cover/1737557-thumb.jpg?t=20250401005900)