*完結* 星野と高瀬のばあい

座ろ、とつぶやきながら、高瀬が腰をおろす。

晴天つづきが幸いしてか、見たところ表面は乾いている。しおさも彼の隣に体育座りで腰をおろした。


ひさし部分と外壁の継ぎ目に、ひびが入っている。
そこからタンポポが思いがけず、黄色い顔をのぞかせていた。


コンクリートのひびに吹き寄せられたわずかな土や砂に、種が飛来し、芽を吹き根をはり花を咲かせたのか。

これはセイヨウタンポポってやつかな、と推察する。


生物の授業で聞いた雑談だ。
生命力の強い外来種のセイヨウタンポポが、在来種のニホンタンポポの生息域を奪ってしまった。
ニホンタンポポは、現在では山間部などでわずかに存在が確認されている。


そりゃ、こんなところでも生きていける相手じゃ勝ち目はなさそうだ。


授業内容なんてほとんど右から左なのに、こんなことはよく覚えてる。
ゆでガエルであれニホンタンポポであれ、自分は弱者に肩入れしてしまう性質だ。


それが生まれついてのものなのか、それとも “ワンランク落ちのハーフ” として育ってきたゆえなのかは分からないけれど。