*完結* 星野と高瀬のばあい

「 “あたしと同じ文系コース” っていい響きだなぁ」


「茶化さないでよ」

「ごめん」
口をきゅっと片がわにすぼめて、神妙な顔をする。

「俺は、星野しおさと一緒にいたいんだよ」


「・・なんでさ」

ああ、またくり返す。


「好きだから」



ヤマトくん、バイバイ!
大和くん、ヤマトくん、ヤマト・・・

高瀬にだけ向けられる、少女たちの輪唱。


いつも隣にいる高瀬大和と、その彼とさえ、なにかと呼べるような関係を結べずにいる自分と。


小学校一年の時からの付き合いなら、幼なじみという表現が妥当だろう。
実際は、“幼なじんでいない” のほうがしっくりくる。