「 “あたしと同じ文系コース” っていい響きだなぁ」
「茶化さないでよ」
「ごめん」
口をきゅっと片がわにすぼめて、神妙な顔をする。
「俺は、星野しおさと一緒にいたいんだよ」
「・・なんでさ」
ああ、またくり返す。
「好きだから」
ヤマトくん、バイバイ!
大和くん、ヤマトくん、ヤマト・・・
高瀬にだけ向けられる、少女たちの輪唱。
いつも隣にいる高瀬大和と、その彼とさえ、なにかと呼べるような関係を結べずにいる自分と。
小学校一年の時からの付き合いなら、幼なじみという表現が妥当だろう。
実際は、“幼なじんでいない” のほうがしっくりくる。
「茶化さないでよ」
「ごめん」
口をきゅっと片がわにすぼめて、神妙な顔をする。
「俺は、星野しおさと一緒にいたいんだよ」
「・・なんでさ」
ああ、またくり返す。
「好きだから」
ヤマトくん、バイバイ!
大和くん、ヤマトくん、ヤマト・・・
高瀬にだけ向けられる、少女たちの輪唱。
いつも隣にいる高瀬大和と、その彼とさえ、なにかと呼べるような関係を結べずにいる自分と。
小学校一年の時からの付き合いなら、幼なじみという表現が妥当だろう。
実際は、“幼なじんでいない” のほうがしっくりくる。



![he said , she said[完結編]](https://www.no-ichigo.jp/img/book-cover/1737557-thumb.jpg?t=20250401005900)