*完結* 星野と高瀬のばあい

*   *   *   *


もうデリバリーピザの油っこい匂いをかぐのもいやだ、
と姉の提案を却下して、汀は台所に立った。

自分で作るほうがまだマシ、らしい。

作り方はネットで調べられると、最近じゃ母親よりまめに台所に立っている。


顔がよくて、性格がよくて、率先して家事をこなすなんて、できた弟だ。


ほどなくして、食欲をそそる甘じょっぱいにおいが漂ってくる。


「あんま上手に出来なかったけど、ごめん」


皿の上には、オムライスらしきもの。
赤茶色のケチャップライスに、ところどころ焦げた薄焼き卵がかぶせてある。


そもそもしおさが夕飯当番なのに、姉の分も黙って作って「ごめん」である。

ありがとうとつぶやきつつ、席につく。