*完結* 星野と高瀬のばあい

合わせるように、手にした紙カップを小刻みに揺する。
ちゃぷちゃぷと、かすかな音がたつ。

中身はブラックのホットコーヒー。


高瀬、コーヒーが飲めるんだと、幼なじみの顔をぼんやりながめる。

いまだにコーヒーは苦くて、あえて飲みたいと思わない。
大きくなったら飲めるようになると、なんとなく思っていたけれど。

舌も、中身の成熟度と同じレベルということなのか。



ぐっと、大きく喉をそらせて、高瀬がコーヒーを飲みほした。

とがったのどぼとけが、大きく前後する。

あんな固く突き出たものが皮膚の下でぐりぐり動いて、痛くないんだろうか。


カン、とテーブルに置かれたカップが乾いた音を響かせる。