*完結* 星野と高瀬のばあい

言いよどむうち、横を歩きすぎる女子の一団から、

「ヤマトくん、バイバイー」と声がかかる。


彼女らの顔に見覚えはあるが、一人も名前が出てこない。

「バイバーイ」
高瀬は笑顔で軽く手をふってこたえた。




「やっぱり同じクラスだと、一緒に下校しやすくていいな」

駅までの道は、ゆるやかな下りになっている。二人並んで歩く。


「時間割がおなじだからねえ」


「高校最後の学年に一緒のクラスになれるって、やっぱ俺たち運命なんだな、うんうん」


「二人とも文系コースなんだからさ、同じクラスにもなるよ。
ってか、高瀬はあたしと同じ文系コースでよかったの?
どっちかいうと理系が得意だったのに」