*完結* 星野と高瀬のばあい

「どうだろう・・・」


母親に腹をたてたことはあっても、弟の心境にまで思いいたらなかった。

不甲斐ない姉だ。

汀にも高瀬にも、与えられてばかりではいけないと、頭ではわかるのだが・・・・



高瀬、

と呼びかける。

「うん?」



人間関係が希薄な自分は、話題の持ち合わせもとぼしいのが常なのだが。
ミステリーという高瀬の話に、思い出したことがあった。



「日常にミステリーがあって」

「ふむ」

「解けたら、高瀬の行きたいとこ、一緒に行ってもいいよ」


ぎゅ、と握る手に力がこもる。


「俺が謎を解いたら、デートしてよ」



その日、帰宅した汀に、「なにか困ったことがあったら、お姉ちゃんに言いなさい」
と告げると、姉を見下ろしながら、汀はえらく困惑した表情を浮かべた。