*完結* 星野と高瀬のばあい

そんなやりとりを、何度聞かされたことか。


しおさにしても、引っかかったことがない、とはいえ目を付けられたことがないわけではない。

高校一年のときだったか、化粧を疑われ、まつげを思いきり引っぱられて、
痛さに思わず涙がにじんだ。


「この子はガイジンだから、しょうがないですよ」


なにが “しょうがない” だ。目元を押さえながら、教師を呪った。


もっと大変なのは、純日本人なのに、髪の色が明るかったり、天然パーマの子だろう。
なんでも『地毛証明書』なるものを提出しなければいけないのだとか。


しおさも汀(ナギサ)も、一度もそんなものは求められたことがない。