*完結* 星野と高瀬のばあい

「バター焼きにすると、うまいよ」
弟が口をはさむ。

「初めて見たかも」
ハマグリより、黒ずんだ殻をしている。しかし見事な大きさだ。

「よかったら持ってってください。多すぎて食べきれないし」

いいんですかー、二人で声をそろえた。もちろん断る気などない。

大漁である。思いがけず。

一気に重くなったバケツを手に、兄弟に礼を言ってその場を後にする。


「うほー、やったな」

「うん」

バケツと反対に、足どりは軽い。

「砂抜きの方法、ネットで調べといてよかった」

「どうやるの?」

「塩水に一晩くらい浸けとくと、砂を吐くんだって。貝を獲った海の水をそのまま使うのが、いちばんいいらしいよ。
空のペットボトル持ってきたから、それに海水入れて持ってかえろ」

どこまでも、用意周到だ。