カニいた、という高瀬のはずんだ声に、そちらに向かえば、得意げにバケツを突き出してきた。
指の先ほどの茶色いカニが、バケツの底でうごめいている。
「さすがに食えないだろうから、あとで逃がしてやんないとな」
「とりあえずカニゲットだね、いいなー」
しゃがんでいるのに疲れると、立ち上がって波打ちぎわをぶらぶら歩く。
海水は意外なほど澄んでいて、ふくらはぎのあたりを波があらう感触がこそばゆい。
おだやかな波の下の砂地がよく見える。
まさかこんな浅瀬に魚はいないだろう。いても捕まえられないけど。
———、
なにか視界に動くものをとらえた。波に転がされる小石とは異なる、生き物の移動。
指の先ほどの茶色いカニが、バケツの底でうごめいている。
「さすがに食えないだろうから、あとで逃がしてやんないとな」
「とりあえずカニゲットだね、いいなー」
しゃがんでいるのに疲れると、立ち上がって波打ちぎわをぶらぶら歩く。
海水は意外なほど澄んでいて、ふくらはぎのあたりを波があらう感触がこそばゆい。
おだやかな波の下の砂地がよく見える。
まさかこんな浅瀬に魚はいないだろう。いても捕まえられないけど。
———、
なにか視界に動くものをとらえた。波に転がされる小石とは異なる、生き物の移動。



![he said , she said[完結編]](https://www.no-ichigo.jp/img/book-cover/1737557-thumb.jpg?t=20250401005900)