*完結* 星野と高瀬のばあい

濡れないように、パーカーのそでをまくりあげる。

高瀬がリュックからタオルを取り出して、首にかけた。

「しおさも一枚使う? こうやって首からかけとくと、手がふけるよ」

「ありがとう」

準備の入念さに、潮干狩りへの意気込みがうかがえる。
ありがたく首からかけてから、パーカーのフードをかぶる。落下防止と日よけにちょうどいい。

おのおのバケツを手に波打ちぎわにしゃがみこむと、さっそく砂に熊手を突き立てる。

期待と興奮で胸がわきたつ。子どものころ砂遊びに熱中していたあの感覚なのか、それとも狩猟本能というやつか。


そんなに獲れないと思う、という高瀬の言葉どおり、砂をほじくりかえしては、波が埋め戻してゆくことのくり返しだ。