*完結* 星野と高瀬のばあい

こっちかな。
店を出ると、さりげなくしおさの手をとって歩き出す。

まあいいか、と思う。今日は “デート” なんだから。
さすがに見知った顔と鉢合わせすることもないだろう。

手をつないで歩くのは、たぶん小学生以来だ。あの時分でさえ子どもっぽいと思っていたのに、高校生になって、また同じことをしている。


意味合いは違うだろうけど・・・そこに思いいたると、左胸の奥が大きくバウンドした。


海浜公園という看板の文字を追うまでもなく、海が近いのがわかる。

潮のにおいがする、とつぶやく。
心なしか日射しが強くなってきた気がする。

立ち止まって、リュックからサングラスを取り出してかけた。

海だー、高瀬が子どものように顔をほころばせる。