誰にも知られない、語られない話


あの人と出会ったのは、もう何年も前のことでした。

私は早くに親をなくし、道端の小石のような生活を送っていました。

お腹もすいて、地に這いつくばって。

或る雨日にた私はずっと地に寝転がっていました。

雨に一日中打たれていました。

そんな時、あの人は傘を持っていました。

私を見下ろして、ただただ立っていました。

しばらくして、その人はしゃがんで私にこういいました。

「うちに来ないかい?」