私と遊び人と。

「あー…だいぶやられてますね。」

私の腕の容態を見た医者は、きっぱりそう告げた。
一発見てそんな判断がくだされるとは…。
この怪我はどれくらいしたら治るんだろう。
私は溜め息をつき、がっくりうなだれた。

「安静にしていれば、まだ若いですし治りますが、完治するには大分かかりますね…。絶対安静でお願いします。」

「はい…。ありがとうございました。」

私とお母さんは病院を出て、家まで歩き始めた。

「どうしてそんなことになったの?」

「怪我?」

「そうそう。昨日詳しく聞いてなかったから。」

「ああ、えっとね…。」

私は昨日あったことを話した。

「あら…。大変だったのね。」

「うん。これから私生活がいろいろ不自由になっちゃう…。」

「……ま、人間生きてりゃなんとかなるでしょ!
透には私がついてるんだよ?それに香純ちゃんや飛鳥ちゃんも!
大丈夫大丈夫!安心して頼りなさい!」

お母さんは、いつもの元気を貰える笑顔で言った。

「………そうだね!」

私はつられて笑顔になった。

「……あ!もうこんな時間?!
透、一人で学校行ける?制服だし荷物も持ってるしそのまま学校に直行してね?
私は仕事に行かなきゃ…!」

「うん!わかった。気をつけていってらっしゃい!」

「透もね!」

そして私たちは手を振って別れた。