青蒼の夜半に、闇色の鳥を

「約束ですから。

 あなたと交わした約束は、一〇年、一五年経とうとも破却しはしない」

 彼女に関わる秘密すべて、ラザーの胸にだけ封じ込め、彼女を守る。

 ――それだけが、ラザーにとって、インシアを繋ぐ手立てだから。

 口にせずにいたのは、ラザーも一緒だ。

 言葉にしてしまえば簡単に崩れてしまう。

 誰の目に触れる場所にも置かず、秘されているからこそ夢を見ていられる。

 薄汚さも、己の卑劣さも、全部蓋をしたままで。

 誰も彼も裏切って、泥にまみれる覚悟はとうにできている。

 彼女のためではなく、彼女を想う己のために。