「お前、か……」
彼女はラザーの名前を呼ばない。
冷たく突き放すように、お前、と呼び捨てる。
――それは、いつものこと。
お前、と呼び、なぜ、と口にしないままで、インシアはラザーに問い掛ける。
答えを求めるための問いではない。
むしろ、苛立たしげに彼を糾弾する響き。
もどかしげに、彼女の整えられた爪が窓の枠石を掻く。
彼女はラザーの名前を呼ばない。
冷たく突き放すように、お前、と呼び捨てる。
――それは、いつものこと。
お前、と呼び、なぜ、と口にしないままで、インシアはラザーに問い掛ける。
答えを求めるための問いではない。
むしろ、苛立たしげに彼を糾弾する響き。
もどかしげに、彼女の整えられた爪が窓の枠石を掻く。

