青蒼の夜半に、闇色の鳥を

「あたしにとっては他のひとの形見。

 だから、あんたはあたしの傍にいて、あたしが見たいときにそれを見せてくれなきゃ駄目よ」

「二重の、鎖ですね」

「かもね。

 素直に聞いてくれるのなら、それも悪くないわ」

 シェイスは甲斐甲斐しく血の滲んだ包帯を取り、水で塗らした布で汗ばんだ身体を拭いてくれる。

 傷口に薬草を当て、丁寧に包帯を巻き直す手を見ていても、まだ隻腕の実感はない。

 片目を潰したときもそうだった。

 欠落の痛みは、あとで緩やかに染みてくる。

 腕だけではなく、他の――大切なものを引き剥がした苦悩も。