青蒼の夜半に、闇色の鳥を

 鋭く、きつく抉り込んで離さない。

 強い眸だった。

 長に相応しい、他者を従わせるに足る眸。

 神のちからではなく、ひとの、意思のちからだ。

 いま、この場所にはなにひとつ『彼』を縛るものはない。

 自由だが、頼りない。

 吹けば飛ばされるような身の上。

 それ以上に、楔をなくしたこころが耐え切れないほど軽い。

 微かに、目の前の少女に興味を抱いている。

 微かでも、それに従うのも一興かも知れない。

 他に、こころ傾くものはないのだから。