青蒼の夜半に、闇色の鳥を

 『彼』は乾いた唇を舐める。

 微かな苦味は、水に溶けていた薬草の味。

 シェイスは必死の形相で、手許の水差しを凝視している。

 そのまま、空回りする歯車のようにろくでもない台詞を織り上げていく。

「あたしがいけ好かなかったくらいだもの。

 きっと、長老たちはもっと気に食わないと思うの。

 あんた、中身が窺えない気持ち悪い人間だし。

 そういう人間ならきっと、あたしの邪魔にならないかも知れないわ」

「あまり、あなたの趣旨がわかりませんが……ひどい云い草ですね」

 『彼』としては苦笑するしかない。

 だが、シェイスは『彼』の表情に気付く余裕もなく、自分の言葉に大きく頷いた。

「本当のことよ」