青蒼の夜半に、闇色の鳥を

「あなたは知っているんですね?

 ウルジャス……王の、秘密を」

「秘密、ね。素敵な響き。

 だけど、あたしが知っているのは、王が指一本触れていないのに王妃が孕んだってこと。

 処女懐胎ってやつかしら?

 流石巫女ね。聖女さま。

 付け加えるならその子供が、王族の証である青蒼の眸を持っているってこと。

 それだけ」

「充分ですよ」

 あっさりとしたシェイスの口調に『彼』は青蒼の眸を細めた。

 『彼』は肩のちからが抜け、柔らかな印象になっていた。

 継ぎ目のない仮面が剥がれ落ち、生の感情が皮膚を透けて見える。

 守るものから離れた気楽さとでも、呼べば好いのか。