青蒼の夜半に、闇色の鳥を

「……なぜ、私は生きているのか」

「あたしが助けたの。

 もう、なにもできずに死を見送るのは御免だわ。

 あんたはあのひとに似過ぎている」

 節の目立つ指先で『彼』の汗ばんだ金髪を弄びながら、シェイスが云う。

「それと、ウルジャスに殺させるのが嫌だったから。

 なにも知らないあの子に親殺しなんてさせない。

 知らない場所で知らない罪を犯すのを見るのは、もう嫌だよ」

 幾分声を沈めて云ったシェイスの目を『彼』は捉えた。

 『彼』の想いひとの淡い視線とは違う、貫き抉り抜き晒し出す強さに満ちた漆黒の眸。

 砂漠の陽光を凌ぐ双眸だった。