青蒼の夜半に、闇色の鳥を

「取り敢えずは、どこまで憶えている?」

 水差しを傾けて『彼』の唇を湿らせ、シェイスは粗末な寝台に肘を着く。

「どこまで……?」

「そう。まあ率直に云うと、あんたの右腕、肩から先はなくなっているわ。

 あたしが叩き斬ったから」

「……思い出してきました」

 正確に云うならば、飛び散った血を憶えている。

 そのとき感じた、安堵も。

 ようやく死ねる、と思ったのだ。

 ――なのに。