隣にとてとてと、水差しを預けた先程の子供。

 シェイスを見上げて小さく呟く。

「姫さま、いじわる顔してる~」

「ッ! 放っておいて。

 ほらほら、アギを呼んできてよ。

 それに、薬師もね! 

 ほらほらほらほら、は・や・く!」

 バツが悪そうに顔を赤らめて、シェイスは子供を追い出しに掛かる。

「いじわる~、いじわる~。

 いじわる姫さま~。

 いじめちゃだめだよ~」

 囃しながら子供が天幕を駆け去ったところで、シェイスは『彼』の枕辺に腰を下ろす。