青蒼の夜半に、闇色の鳥を

「まさか、ご自分の子に毒を盛るような真似をするとは思いませんでしたよ。

 確かに、俺が消えれば兄上の地位を揺るがすものはない。

 簡単な理屈だ」

「わたくしは、女神の巫女としてひとの希みを叶えるだけ。

 お前の願いを叶えてやれなかったことは、悔やむべきこと」

 仄白い横顔に、揺らぎの色はない。

 余りにも予想通りの反応に、ウルジャスは溜息を吐く。

 髪の毛ひとすじほどでも動揺して欲しいと思わなくもなかったが、どちらでも好いとも思っていた。

 すでに捨て去った肉親のことだ。

 初めからひとつ残らず捨ててしまっておけば好かったのにと、悔いはそれだけ。