「なら、早く強くなれ。

 あたしが迷う余地もなく強く聡い王になりなさい。

 一刻も早く。

 滅びの足音よりも早く」

 それは、まるでどんな女神よりも尊い女神の祝福。

 更に口を開こうとして、ウルジャスは己が涙を流している事に気付いた。

 ばたばたと止め処もなく、なんの感情も乗せずに目から水が垂れていく。

 行き場のない激情は、無理矢理かたちを作りどこかへ流さなければ、

 ウルジャスを破裂させてしまいそうだった。

 哀しいほどにウルジャスは無力だった。