「構わないわ」
シェイスがひっそりと笑う。
その背後には、ラザーを背負った長身の青年。
影を支配する女王のように自信に満ちて見えた。
「あたしはあんたの兄を貰っていくの。
罪人であり、王の子であり、そしてあんたの兄である男を奪っていく」
迷いを振り捨て、惑いを脱ぎ捨てて、
シェイスは目の前で違う生きものになっていく。
みるみる、遠くなっていく。
引き伸ばされた影さえも、ウルジャスには触れられない。
「……奪われる物なんて、初めからなかった。
俺の兄などどこにもいなかった。
だけど、あなたの強さを俺は、憎む」
――置き去りにされる己の弱さを、憎む。
シェイスがひっそりと笑う。
その背後には、ラザーを背負った長身の青年。
影を支配する女王のように自信に満ちて見えた。
「あたしはあんたの兄を貰っていくの。
罪人であり、王の子であり、そしてあんたの兄である男を奪っていく」
迷いを振り捨て、惑いを脱ぎ捨てて、
シェイスは目の前で違う生きものになっていく。
みるみる、遠くなっていく。
引き伸ばされた影さえも、ウルジャスには触れられない。
「……奪われる物なんて、初めからなかった。
俺の兄などどこにもいなかった。
だけど、あなたの強さを俺は、憎む」
――置き去りにされる己の弱さを、憎む。

