「姫様」

 彼女の無事な姿に、侍女は細く息を漏らす。

「心配を掛けた。

 それに手間も危険も。

 アガサ、すまない」

「こういうときのために私はここにいるんですもの。

 別に構いません。

 まあ、役目の一番が姫様のわがままのためなんて、思いませんけど」

「……本当に、ごめん」