青蒼の夜半に、闇色の鳥を

「エリア・ファーレリアを統べる王、ウルジャス・エノア殿」

 砕けた剣の柄をだらりと下げて、シェイスがウルジャスを呼ぶ。

 のろのろと、床に座り込んだまま、ウルジャスは血に塗れたシェイスを見上げた。

「あなたが殺そうとしたのは、片目、両腕の生えた先王が長子ラザー殿。

 そのような者ならばいま、このエンカランの長シェイス・リンが斬り捨てた。

 ならば、片腕となったあの男の残骸、あたしが貰っても構わないはず」

 無茶苦茶な論理を振り翳して、

 それでもその声の清かさゆえに無茶にも聞こえぬ様で、シェイスは宣言する。

 いつのまにか移動したアギが、弛緩したラザーの身体を背負う。

 どろりと、いまだ止まらぬ血が肩の切り口から滴り落ちた。


 点々と、床に深紅の水溜り。