「あたしはただ、亡き王を悼みたいだけ。

 弔問の客を罪人呼ばわりだなんて、

 随分と心が狭いんじゃないの?」

 拡散した意識が、握り込んだ刃に集中していく。

 そうしなければ、立っていることさえ難しくなっていた。

 減らず口も、半分は萎えた己に対するぎりぎりの抵抗だ。

 涼しげに立つラザーが、尚更憎らしい。

 同時に、奇妙なずれを感じた。

「あなたの云うことは、無茶苦茶ながら理に適っていなくもない」

「ありがとう。

 なら、黙って隅っこに控えていな!」