青蒼の夜半に、闇色の鳥を

「兄上は、王のことなどどうでも好いのだと思っていた」

 ウルジャスの恨み言に、ラザーは曖昧な笑みを浮かべた。

「私にも亡き王を悼む理由くらいあります。

 感謝すべきことも、それ以外のことも」

「それ以外?

 愛情?

 それとも?

 どちらにしても、兄上にはそんな情は似合わない」

 白々しい答えと、仮面のような笑み。