青蒼の夜半に、闇色の鳥を

 王は、己で死を選び、死を選ぶための占の道具としてシェイスを利用した。

 道具として、感情を伺われずに弄られたことに矜持を傷付けられた。

 なによりも、その程度と見下されたことに傷付いた。

 そして、なにひとつそれに気付かずに別れた己の鈍感さに、死にたくなる。

「聖女サマは仰ったわ。

 あたしが、王を、殺したんだって」

「そんなはず、ないだろう」

 つい一昨日まで同じ隊商に雇われ、行動を共にしていた幼馴染みは憮然とした表情を浮かべる。

 遠く離れていたお前にできるはずないだろう、と顔だけで云う。

 そう。不可能なこと。

 剣を使わずに、血を浴びずに、己が手を貸した死。

 その曖昧さが、シェイスには呑み込みきれない。

 ――だから。