青蒼の夜半に、闇色の鳥を

 奥歯で噛み殺そうとするのが、一瞬だけ遅かった。

 ぽろり、と透明な雫がひとつ、ふたつ、シェイスの痩せた頬をなぞる。

 隠そうと俯いたシェイスに、アギが手を伸ばした。

「止めてくれ、長姫」

 静かな、声。

 汗ばんだシェイスよりも体温の低い手のひらが、濡れたシェイスの双眸を隠す。

 大きな手だった。

「弱いところなんて、見せるな」

「弱くなんて、ない……!」

 意地を張ったのに声は震える。

 悔しかった。

 哀しかった。