青蒼の夜半に、闇色の鳥を

「いっつ……!」

 べたり、と貼り付いた泥の冷たさがいっそ心地好い。

 身体を預けてしまえば、容易く力が抜けてしまう。

 ずるずる蕩けてしまった血肉を掻き集めて、

 ようやく、シェイスは埃と落書き塗れの壁に身体を押し付けた。

 シェイスの足掻きを、アギは醒めた目で眺めている。

「……畜生」

 呟いた言葉は、自分でも情けないほど弱々しい。

 自分の脆弱さを耳にすれば、余計に泣きたくなる。

 引き寄せた剣だけを精一杯の強さで握り締めた。

「畜生。

 今夜さえ終われば、全部終わるのに」