青蒼の夜半に、闇色の鳥を

 分厚く革の巻かれた剣の柄を確かめる。

 振り向きざま、鞘を払った。

「邪魔するなら、殴り殺す」

 ぴたり、とアギの喉許に突き付ける。

 こんな状態なのに剣は軽かった。

 自分の腕の延長線上、自由にならない自分の身体よりも余程シェイスの意思に従った。

 剣と、冷たい汗をかくシェイスの顔と、そして小汚い路地と。

 みっつ見比べて、アギが深く、溜め息を吐いた。

「――ッ!」

 吐息を吐ききらないままで、アギが動く。

 手の甲で剣を払い、長い脚でシェイスの脛を払う。

 シェイスは見事に地面に転がった。