埃の塊が裾にこびり付いた、粗末な薄紗の日除け。

 窓に垂らされた隙間から、朱色に染まったひかりが斜めに差し込んでくる。

「う……ッ」

 肉体的な苦痛から遮断された、だが他の痛みを弄ぶ眠りから醒め、寝台の上でシェイスは呻き声を上げた。

 ぐる、と身体の芯の部分が捩れる。

 引き起こしかけた上体を逆戻りさせて、吐き気を抑え込んだ。

 そのまま、歯を食い縛る。