青蒼の夜半に、闇色の鳥を

 矜持を切り売りして、生活の糧を得る。

 もはや、一族はそうすることでしか生きられない。

 他の術を見出せないシェイスを、長老達は非難し続ける。

「じゃあ、どうすれば好いって云うのよ」

「だからこそ、私に仕えれば好い」

 得たり、とジャスパが微笑む。

「私は強兵を得て、お前達はただひとりの王に仕える誇りを得る」

 男にしては華奢な、手入れの行き届いた手は差し出されたまま。

 シェイスが指を伸ばし、手を重ねるのを待っている。