青蒼の夜半に、闇色の鳥を

「さあね。

 私が死ぬまで持てばそれで好い。

 その先は、誰かが決めることだ」

 深い青蒼の眸を閉じて、ジャスパは熱のない声で応える。

 教師じみた几帳面さはみるみる解け霧散していく。

 表情までも緩み、どこかだらしのないものに変わる。

 端正な顔立ちが台無しだった。

 シェイスは、こんなジャスパが苦手だった。

 手を漱いでいた清流が、見れば薄汚れた泥だったのだと知らされるよう。

 居たたまれなくなる。

 近い未来の己の姿を映し出す鏡のようで、辛くなる。