青蒼の夜半に、闇色の鳥を

「中原の混乱が、あたしたちをも脅かしている。

 遊牧の民の土地は開墾されて、

 あたしたちはいままでの生活を削り取られてしまった」

「そのために、お前達は己の戦力を切り売りしている。

 隊商の護衛から、辺境の小競り合いまで。

 エンカランの傭兵は好く働くと大評判だ」

 にやり、と意地悪くジャスパが笑う。

 不羈の民が、金で己の身を引き渡す。

 それは正しいのか。

 シェイスは正しくないと思う。

 だが、そうしなければ生きていかれない現状はどうすることもできない。