青蒼の夜半に、闇色の鳥を

 彼女の纏う、柔らかな紗の衣。

 それが閃き重ねた繻子が覗くように、淡い感情がひらひら浮かんでは消える。

 どの情も、現実味がなく生々しさもない。

 一瞬、ひかってはすぐに消える。

 人形めいた顔立ちに相応しい儚さ。

 その姿を、ラザーは眩しいものを見るかのように、眸を細め堪能していた。

「王殺しの罪に、どんな償いがあると、お前は云う?」

「簡単なことですよ」

 縫い取りひとつない質素な衣。

 その長い裾を翻して、ラザーはインシアに背を向けた。