青蒼の夜半に、闇色の鳥を

「わたくしが王に、深い眠りに誘う薫香を与えた。

 死も生も運命のひとつ。

 命の行方を指し示すのは女神の技。

 ゆえに、わたくしはあの方に香を渡した。

 でも、それは大罪。

 お前は、どうやってこの罪を購ってくれる?

 お前は、お前の誓約をいかにして果たす?」

「あなたの犯す罪全て、私が引き受ける。

 あなたの身に傷ひとつ付かぬよう、私が全ての罰を受け容れる。

 ……あなたがくれた、ひとときの幸福の代価に」

 神聖な誓いのように、ラザーは呟く。

「そう。そうやってお前はその目を潰した。

 己の子を殺そうとしたわたくしの罪を引き寄せて、あの子の身代わりになった」

 インシアの平坦な声に、微かな忌々しさが滲む。