青蒼の夜半に、闇色の鳥を

「お前は、王のなんだ?」

「あたしの質問が先」


 切って捨てた少女に、今度は大げさに息をはく。

 降参のしるしに、わざとらしくも両手を掲げてみせた。


「俺じゃない。そんなこと考えるほど、この男に情はない。

 どこで死んでくれても構わなかった。

 ただ、もう少し長生きしてくれれば都合が好かったと思うけどな」