「あんたになんて、付き合っちゃいられないのよね」

 シェイスが流した視線の先には、お誂え向きな太い木の幹。

「―――ッ!?」

 予想外の行動に、ラザーが目を見開く。

 潔く背を向け、シェイスは蹴り折らんばかりの勢いで幹に足を掛けた。

 ざらざらとした樹皮の感触が足裏に。

 そのまま腰の高さまで駆け上がり、力いっぱいごつごつした幹を蹴る。

 ふわり、とシェイスの身体が宙を待った。