朝気づくと、点滴は外されていた。
いつのまに、、、気付かなかった。
体はすっかり治ってる。
キッチンに行って、朝ご飯の準備にかかった。
ご飯ができたころに先生が起きてきた。
「病み上がりなんだから、寝てろよ。
熱はどうだ?」
と言いながら額に手を当てる。
先生の大きくて優しい手のぬくもが、額から伝わる。
ついつい目をつむってしまう。
心臓が音を立てて鳴り出した。
ドクドクドク、、、
聞こえちゃうよ。
私、何先生に緊張してるんだろ。
慣れてるはずなのに。
恥ずかしくてつい下を向くと、
「おい!大人しくしろ。」
と一喝。
直立不動になる。
続いてソファに座らされ聴診の準備をする先生。
「服上げて。」
と言われるけど、下を向いたままの私。
「おい。」
と言われ私の服に手を伸ばす先生。
「やっ!」
バシッ!
あ!叩いちゃった!
と恐る恐る先生を見ると、爆発寸前。
それでも下を向きなおると、
「こらっ!聴診しないと学校行けないんだぞ!
このまま喘息でたらどうするんだ!?
服上げろ!」
と怒鳴られ、久しぶりに驚き、涙が出てきた。
「いやだもん。」
自分でもわがままなことを言ってるのはよくわかる。
けど、嫌なんだもん。
恥ずかしい。
「じゃあ高校には行けないからな。」
と言われると。さらに溢れ出る涙。
「泣いてもだめ!早く聴診するぞ!」
と言い、私の服を無理矢理上げ、手を服の中に入れてきた。
それでも私は嫌なんだもん!
と抵抗する。
「どうしたんだ?」
と先生が少し離れる。
「、、、、、、恥ずかしい。」
「はぁ、今までそんなことなかったのに。
どうした?そういう年頃か?」
自分でもわかんないけど。
「そういう、、、
年頃。」
「ぷっ!
自分で、そういう年頃ってっ。
ハハッ。それでもダメだ!俺はお前の主治医なんだからな。」
と言われてしまい、もう観念するしかない。
素直に服を上げた。
私、なんでこんなに顔が赤いんだろう。
わかんない。
聴診を終えると、
「よしっ!無理はするなよ。」
行ってこいっと先生に言われ、私は家を出た。



